Webサイトの「.html」の後ろに付与された「?」から始まる謎の文字の羅列。
その名もパラメータ。
例えば以下のようなもの。
?name=hanojiの部分に当たるのがパラメータと呼ばれるものです。
見た事はあるけど実際の意味や具体的な役割はよく分かっていない・・・!
今回の記事では、そんなパラメータについて解説していきたいと思います。
もくじ
パラメータについて
パラメータを辞書で調べてみると、単語としての意味とIT用語としての意味が見られます。
「パラメータ」の意味
パラメータ(parameter)は、
「変数」「引数」「設定値」といった意味を持つ単語を指します。
ちなみに
- 変数→シーンによって値が変化する。
- 引数→「入力」→「処理」→「出力」のうち「入力」に相当する値。
- 設定値→設定された、処理の対象となる単一のデータ。
また、日本大百科全書による説明では以下の通り↓
主たる変数を、その関数として表示するのに用いる。
〜中略〜
このほかに、対象物を識別するために用いる文字のことをパラメーターということがある。
日本大百科全書
上記の「対象物を識別するために用いる文字」ということから、何かしらの要因によって識別をしたいときに用いる文字という考え方ができます。
IT分野で使われる「パラメータ」とは?
IT分野におけるパラメータは、ソフトウェアやシステムの挙動に影響を与えるデータのことを指します。
IT分野におけるパラメータの使用はWebページがよく知られています。
Webページの.htmlの後ろにつけるパラメータは、「URL(クエリ)パラメータ」と呼ばれます。
URL(クエリ)パラメータについては後ほどもっと詳しく説明したいと思います。
先ほども述べたように、同じ対象物を何かしらの要因ごとに識別をしたいとき。
つまり、同じURLのWebページを各要因ごとに識別したいときに用いるデータのことをパラメータと呼びます。
IT分野におけるパラメータの役割と活用について
IT分野におけるパラメータの役割について調べると、IT用語辞典では以下のような内容で記載されています。
関数、機械、ソフトウェアなど何らかの仕組みに対して外部から与える値のことで、内部の構造や処理手順などが同じでも与えるパラメータによって出力や挙動を変化させることができる。
IT用語辞典 e-Words
パラメータには「出力や挙動を変化させる」という性質があることが分かります。
このような性質を利用し、Webページでもパラメータが使用されています。
Webページの場合、URLの文字列に「?」をつけると、「?」以降の文字は無視してページを表示するという仕様になっています。
そこで、「?」以降に意味を持った文字をつけ足していくことでパラメータは役割を発揮します。
次の章ではURL(クエリ)パラメータの種類と各役割について紹介します。
パラメータは、「?」で始まり「&」でつなぐことで1つのものとして成立します。
そのため、パラメータの値に「?」「&」は使用しないようにします。
また、ページ内リンクで使用される、「#●●●」などのアンカーリンクは、パラメータの最後尾に設置しないとリンクが正常に動作しなくなってしまいます。
URL(クエリ)パラメータの種類
URL(クエリ)パラメータは、大きくわけてアクティブパラメータとパッシブパラメータの2種類があります。
この2種類には、どのような違いがあるのか見てみましょう。
アクティブパラメータ
アクティブパラメータは、任意のURLに付与することで同じWebページの違う内容を表示させることが可能です。
主にECサイト(ネット通販サイト)やブログに使用されます。
- 特徴
指定したパラメータの値によって表示される内容が変化する。 - 役割
ECサイトで商品の色や特徴で表示する内容を設定する。
商品の形状や価格、人気順などに並び替えを行う。
ブログの編集画面へ飛ばす。
例えば、以下の様なECサイトのrecommendという「おすすめ商品ページ」に↓
https://fashion-hanoji.com/recommend
黒いシャツだけを表示させるようなパラメータを付与します。
ECサイトに使用される場合だと、見たい商品を表示させるため「フィルタをかける」という挙動になります。
パッシブパラメータ
アクティブパラメータとは違い、それぞれ別のパラメータの値が付与されていても表示するページに変化はありません。
「?」以降の文字は無視するという性質を使用し、主にアクセス解析ツールでネット上のユーザーのアクセス経路や滞在時間の計測に使用されます。
- 特徴
URLに別のパラメータを指定しても、同じWebページを表示する。 - 役割
情報収集。アクセス解析ツールを使用した、アクセス経路や滞在時間の計測など。
次の章では、パッシブパラメータの役割についてもう少し深堀してみます。
アクセス解析で役立つURLパラメータ
先ほど説明しように、パッシブパラメータはアクセス解析を行う際に活躍します。
アクセス解析ツールで効果測定を行う
同じURLにそれぞれ別のパラメータを付与した、複数のURLを用いることでアクセス解析や効果測定が可能になります。
例えば
https://pc-hanoji.com も
https://pc-hanoji.com?aaa も
https://pc-hanoji.com?bbb も
Webページを開いた際に、3つとも同じページが表示されます。
URLは「?」以降の文字は無視して表示する性質があるためです。
この性質を利用し、Web広告やメールマガジンに、それぞれ別のパラメータを付与することで、ページの参照元を解析することができます。
つまり、Webページへのアクセスがどの経路からなのかをたどることができるということです。
例えば、メールマガジンに掲載するURLとGoogle広告に設定するURLにそれぞれ違うパラメータを付与します。
メールマガジン:https://pc-hanoji.com?utm_source=mailmagazine
Google広告の場合:https://pc-hanoji.com?utm_source=google
このように参照元が違うURLに、目印としてそれぞれ違うパラメータを付与することで解析ツールを使用した際に、どこからのアクセスなのかを計測することができます。
ユーザーの特定をする
URLパラメータを使用すると、MAツール(マーケティングオートメーションツール)での活用もできます。
特にメールマーケティング機能(メールを活用したマーケティング)を利用する時にパラメータが活躍します。
MAツールには、送信するメールに記載されているURLに、パラメータを送信先のユーザーIDとして自動的に付与する機能があります。
この機能を使うと、URLがクリックされた際、どのユーザーからのアクセスなのかを特定することができます。
ブラウザのCookieにユーザーIDが書き込まれるため、以降そのユーザーがどのようなWebページを閲覧しているのかという情報を、MAツールで解析・計測することが可能となります。
まとめ
パラメータの役割と用途をまとめると、以下のようになります。
- 「?」以降を無視するURLの性質を利用する。
- 表示内容を変化させ、閲覧者が見たいものを表示させることができる。
- アクセス解析や効果測定に使用される。
今回の記事ではパラメータの基礎知識を解説しました。
また、パラメータの基本的な設定方法についても少しふれましたが、もっと詳細な設定方法については別の記事で解説しようと思います。
おまけで・・・
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